解答解説を読まない

答え合わせとは、例えば問題集の問いの答案を作った後に、その答案を解答と照らし合わせて一致していたか、異なっていたかを確認する作業のことである。この作業は、勉強している人ならだれでも行うことである。ふつう、正解した答案には○を付け、間違った答案には×や✓を付けるだろう。

答え合わせは勉強において大変重要な作業であり、それを行う目的を理解しなければならない。正解したものには○を付けるだけで良いのだが、間違えたものにはただ単に×をつけるだけではなく、なぜ間違えたのかを検証しなければならない。間違えた問題を検証することは、解答・解説をよく読んだ上で、どこをどうして誤った解答になってしまったのかを把握し、正しい知識を身に着けることが目的である。

しかし実際には、単に○×をつけるだけで答え合わせを終わりにしてしまう人は少なくない。こういった人は、たとえ自分の答案が誤りであったとしても、赤ペンで×を付けて次のステップに進んでしまうのだ。そうする人の多くが、「答え合わせ」あるいは「マル付け」は問題を解く際のただの儀式であるように考えていて、マル付けの本当の意義を理解していないのである。

○×を付けることはあくまで自分が勉強の内容を正しく理解しているかしていないかを一目でわかるようにした印に過ぎず、勉強の内容を理解するという点では何の意味がない。○×をつけるだけならば単なるクイズ大会になってしまう。勉強とは自分知らない知識を身に着けることであり、正解か不正解かだけを把握するクイズ大会ではないのである。

○×をつけるだけの作業をただ繰り返していては、勉強をしていること自体は事実であっても、その勉強を本当に理解しているとは言い難い。当然、勉強内容を理解しなければ、自分の学力が伸びることはなく、学力が不足していれば、大学受験で志望校に合格をすることは不可能であろう。合格するための学力をしっかりと身に着けるためには、自分が勉強内容を理解することができる方法で勉強を行わなければならない。そして、勉強内容をよく理解するということとは、自分が間違えた、あるいは知らなかった知識や問題を理解することなのだ。その、自分が内容を理解していないことを、後からでも瞬時に見て把握することができるように表した印こそが“○”、“×”なのである。

私の高校時代の答え合わせのやり方に関しては、さすがに○×を付けるだけではなかったまでも、解答・解説をよく読んで、正しく理解しようとはしていなかった。どちらかと言えば、単に問いに正解したかしていないかを把握することだけに重点を置いていたのだ。問いに正解した時は喜ぶ一方で、間違えた時は落ち込んだりイライラしたりしたが、だからといって正しい答えには目を向けて、過ちを見つめのそうとはしなかった。

そんな状態であったため、私は勉強の知識を身に着けることは十分にはできず、それが後に「不合格」という結果をもたらしたのであると、受験を終えた今の私は考える。


◆まとめ1)答え合わせの目的は、自分が勉強内容を正確に理解しているかどうかを把握することである。
2)○×は、単に自分が理解しているかそうではないかを見やすく可視化した印に過ぎない。
3)答え合わせの意義知らなかった私 → 不合格

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