確実な滑り止め

よくスポーツの世界においては、「勝つことだけを考える」ことこそが重要なメンタルであるというようなことは、よく耳にすることである。これを受験にも当てはめ、「志望校に合格することだけを考える」ことが大切だと主張する教師や講師は一部存在する。

確かに、志望校に合格することを考えることは、勉強することに熱意が入ることもあるという点では否定はしない。また、誰も第1志望の大学に入ることこそが1番の目標であり、それが大学受験での「成功」と言えるのだ。しかし、誰もが志望校に合格したいと考える一方で、実際にはそう考える受験生全員が合格することは不可能である。

たとえ受験時代に真面目に勉強していたとしても、予想外の問題が出題されるなどして、残念ながら不合格になってしまうことさえもある。これは地震などの災害に例えるとわかりやすい。どんなに住宅に地震の対策をしていながらも、実際には想定外の揺れにに遭って被災してしまうことと性質的に同じである。このように、どんなに対策していても万が一の事態の可能性が否定できないという現状があるからこそ、もし「不合格」という天災に遭ってしまった時のことを考えておくことが求められるのである。

もし第1の志望校に落ちてしまった時のために、併願する大学をも考える必要がある。第1志望の大学が国公立大であれば、併願校は私立の大学や国公立の後期日程の受験が併願校となるだろう。もちろん自分にとってベストの大学に入ることが何よりだ。しかし、もしそれがダメならば、ベターなところを選ぶことが賢い決断であろう。たとえ最良な結果ではなくでも、できるだけ良い大学に入ることも、正しい受験と言えるのではないだろうか。

なお、併願校はなるべく受かる可能性が高いところを選ぶことが好ましい。自分が第1志望の大学に勉強の重点を置くことは当たり前であるが、そうなると併願校の対策には手が及ばない。とはいえ、いくら優先順位が低い併願校ではあるとしても、合格しなければ意味がない。

一方で、自分の学力から受験する併願校に合格できるかどうかが不明瞭であり、その大学の入試の対策も大規模に必要となってしまうと、本命の第1志望の大学の入試対策が疎かなってしまいがちである。そのため、できるだけ合格できる可能性が高いところを選ぶことが良いと、私は考える。

私は、第1志望の大学には不合格となったが、幸いにも併願校として確実に合格できるところを受験していたために、無事に合格することができ、ベストではないにしてもベターな進学先を開くことができた。私の念願であった第1志望の大学に落ちてしまったことは非常に悔しいが、進学先がまったくない最悪の事態は避けることができた、という点については満足している。


◆まとめ1)どんなに対努力していても、不合格になってしまうことはゼロではない。
2)ベストではなくても、ベターな進学先を用意することも「受験」である。
3)併願校はなるべく確実性を求めることがおすすめ。

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