なぜバブルは崩壊したのか?想定外という甘い考え

 1980年代後半~1990年初めの「バブル時代」は崩壊し、その後は「失われた10年」と呼ばれる暗い不況の時代となることになった。そんな活気が消え去った時代が到来する根源となったバブルは、なぜ崩壊したのか。社会の崩落という失敗の理由と教訓についてを取り上げる。

 バブルが崩壊した原因として、実際の価値を大幅に超えて跳ね上がった株価や地価や、それにとって悪い影響を考えた政府による急な引き締め政策の銀行の貸し渋りが挙げられることが多い。しかし、根本的な原因はそれとは違う。

喜びは永遠に続く?


 もっと根本的な原因は、現状がいつまでも続くと考えていた当時の人の甘い考えではないだろうか。永久に企業の株式や土地の価格が上がり続け、さまざまな会社は次々と設備投資を行って、さらに景気が良くなり続けると思い込んでいたことが、バブルが起こる理由となった。

 そして、1989年に株価が下がり始めた時でさえも、いつまでも社会の好循環が続くと考えて、とても不況にはならないだろうと思っていたことが、バブルが急にはじけ、しかも適切な対応ができなかった原因である。

 自分の予想とは反対に物事が進んだ時のことを想定することなく、自らが考えている、あるいは願っている傾向とは逆のことが起こり得る自体を頭に入れておかなかったために、一気に景気が悪くなって、大量に負債や損失を抱え込むという失敗を引き起こすことになったのだ。

「想定外」は存在しない


 永遠に喜びを感じる世界が続くと考えたことで起こったバブルとその崩壊の例のように、自分の予想とは反対に、願ってはいないような悪いことが起こらないようにするためには、最悪の事態についても常に想定しておくことが求められる。万が一、自分の思惑通りに物事が進まなかった時にはどう対処すればよいのか、という備えを持っておくことで、危機からいち早く脱出することができる。

 世の中に「想定外」という概念は存在しない。自分が感じるであろう喜びが常に続くことはほとんどない。そのため、自分が嫌だと感じる経験をすることになった場合の対策を日ごろから練っておかなければならないのである。

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