確かに、一部の市場へ参加する個人投資家が大儲けしているというのは事実である。中には年に数億円もの大金を利益として出している強者もいる。
しかし、それはほんの少しの人数である。普通のサラリーマンや主婦がそうした人の1人になるのはほとんど不可能であるといっていいだろう。
さらに、9割の個人投資家は利益がゼロである。逆に損失の方が多くなっている人も過半数はいる。もちろん、アベノミクスなどで相場全体が上昇トレンドに入っている時には自然と利益が上がっている人は増える。
しかし、そうした一時期を除くほとんどの期間では、個人投資家は利益を稼げていない。たとえ収益がプラスになったとしても、数回の投資活動を行っているうちに再び損失が出て、せっかく儲けることができた資産が再度市場の中へと溶け込んでしまう。
そして、結果的に「利益ゼロ」となり、見事に9割のグループの一員となるのである。
儲けを出すためには？
しかし、それほど利益をプラスに持っていることでさえも難しいのか。その答えはNOである。しっかりした手法と損失への対策を着実に実行していけば、億単位まではいかなくても少なくない利益を手に入れることは可能である。
まず、投資手法を持つことが大切となる。投資手法に関して、毎回同じ方法で投資にチャレンジしなければならない。取引の度に違ったやり方をすることによって、「利益がプラスになる確率」を維持できなく、大数の法則によって損失が利益を上回るようになるのだ。
なので、常に単一のルール化した投資手法に則って株式や外国為替、先物商品の金融取引に臨んでほしい。
また、損失が出た時の対処も必須だ。どんなに素晴らしいやり方が存在したとしても、損することは少なからずある。そんな時に、できるだけ損失として出ていく金額を抑えるかが、個人投資家の成功のカギとなる。
損失を抑える方法とは、すなわち「リスク管理」のことだ。損切りの注文発注や分散投資といったものがこれに当たる。マイナス収支によるダメージを抑えることができれば、個人投資家として勝ち組の仲間入りを果たす条件は整う。
