自転車といえば、それに乗るメリットは大きいと言われている。車のようにガソリン燃料を必要とせず、運転免許もいらない。原油価格の高騰やによる影響を受けない点や、環境問題となっている二酸化炭素を排出しない点も、利点といえる。
しかし、そんな長所に反して増え続けているのが交通事故の件数である。しかも、今までは被害者とされてきた自転車が、今は加害者となるケースが増えている。それは、自転車が普及する際の暗闇の世界といってもよいだろう。
原因は3つだ!
自転車事故が増えている原因としては3つ挙げられる。それぞれ、どんな理由が事故増加の要因となっているのだろうか。
1つ目の原因は、そもそもの利用者数が伸びている点だ。近年の原油価格の高騰による車の走行コストが増加していることに加え、二酸化炭素の排出に関する環境問題への意識の変化から、自転車を利用する人が増えているのだ。
また、景気の後退によって、今までは電車やバスなどの交通機関を使っていた人も、無料で乗れる自転車にシフトしてきたことも、自転車ユーザーが増えている理由でもあろう。こうした現象から、自転車の利用者が増えるにしたがって、事故件数も増加しているのだ。
2つ目の原因は、交通ルールに関する意識の低さだ。自転車ということで、車のように運転免許などは一切ない。したがって、交通ルールに関する意識が低く、道路におけるマナーを守らない人が絶えないのだ。
しかも、警察による取り締まりもそれほど厳しくはないこともあって、交通ルールに従おうという考えを持たなくてもよいという風潮が存在するのが、事故件数を後押ししている理由である。
3つ目として、自転車特有の性能に原因がある。車の場合は、エアバックや自動ブレーキアシストといった安全向上のための技術が進歩していて、事故防止や事故時の被害縮小のための機能が、時代の進化とともに付けられている。
こうして、車の事故は以前よりも防ぐことができるしくみができているのである。一方の自転車の場合、安全面での設備は昔とまったく変わらない。このことから、事故をハード面で阻止する設備が存在しないのだ。